政府から信頼を受けるNRIの都市開発

白英華(主任)

新しい街づくりは、政治と経済のあいだで

著しいスピードで発展を遂げる上海。「飛躍的に経済成長を続ける中国において、都市開発ほど魅力的でチャレンジ精神を刺激される分野はありません」“街づくり”を自らの専門とする白は、生き生きとそう語る。

この国で行なわれてきたこれまでの大型開発案件は、海外のモデルをそのまま踏襲したものが多く、中国の実情に必ずしも即したものではなかったと白は考えている。思想なきまま走った街づくりが、後々問題を起こしているケースも少なくないという。新しい都市計画には夢があると同時に、大きなリスクが伴うもの。歴史に残る事業であるからこそ、そこには神聖な使命が課せられる。科学的で戦略性に富むプランを立てることが、NRIコンサルタントとしての白の仕事だ。

都市開発においては、利益を追い求める企業サイドと政治的思惑に左右される政府サイドの両方から圧力がかけられるもの。その中間地点に立ち、それぞれの提案を受け入れながら最善の道筋を探り、プランを立案していくのがNRIの役割だ。長年にわたり数々の地域で実績を残してきたNRIだからこそ、未来の街づくりに果たす機能は大きい。北京発改委より指名を受けた日系唯一の外資コンサル機関であることも、それを証明している。

NRIが威信を賭けて取り組むのが、重慶空港ターミナル開発プロジェクトだ。物流拠点や産業都市を複合した巨大プロジェクトは、世界に通用する機能を備える都市として、重慶が発展を続けることを目指したもの。あらゆるインフラを集約した未来都市・重慶が、まもなく姿をみせることだろう。そこには間違いなく、NRIの技術とノウハウが注ぎ込まれているのだ。

情熱と努力が新しい都市を作り出す

「今の中国は20年ほど前の日本のような、急成長の真っ只中にあるといえます。新規事業の効果はすぐに検証され、それがまた新しいビジネスに生かされる。ダイナミックなスピード感にあふれる、刺激的な環境です。優れたプランは即採用され、あっというまに形になっていきます。ひとつの街が、信じられないスピードで出来上がっていくんです」

当然、そこには高いリスクもまた潜んでいる。それを察知する鋭い嗅覚と、総合的に判断する高い次元の能力が求められることになる。 過熱する一方の都市開発に付随する問題として、環境汚染や生態系の破壊など、経済的発展との矛盾が露呈しつつある現在、すでに成熟期に入ったと言っていい日本の事例は大きな参考になると白は考えている。急速な開発によって失われてしまったものを取り戻すべく、歴史的建造物や街並み、景観などを保護していく動きが進められているが、中国でもこの思想は取り入れられていくべきだ、と。「開発と環境保護という、相反するテーゼをいかに両立させていくことができるか。調和を失わないように、バランスを整えることがもとめられるのです」

都市開発は奥の深いテーマであり、情報収集とスキルアップを怠ることはコンサルタントとして命取りになる。一歩たりとも後れを取ることが出来ない厳しい分野ではあるが、そこは情熱と努力さえあればカバーできると白は言う。その心得こそが、次の未来を担う新しい都市を作り出す原動力なのだ。

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