次なるマーケットを担う中国のNext Rich層

王艶(副主任)

中国の富裕層と、勢いを増すNext Rich層に注目

NRI本社が1997年から継続的に行っている「生活者1万人アンケート」。日本人の価値観と消費行動を定点観測的に分析するレポートは、中国でも2003年から実施されている。マーケティング戦略を専門とする王は、このアンケートに入社以来関わってきた。
「富裕層の消費動向は世間から注目を集めていますが、マーケティング戦略として重要視すべきなのは、実はそのすぐ下で勢いを増すNext Rich層なんです」
Next Rich層とは、世帯年収5万~10万元の、いわゆるアッパーミドルクラス。新興住宅地のマンションに暮らし、都心のオフィスまでは地下鉄で通う、主に外資系企業に勤める人たちのことを差す。都心の超高級マンションに住み、自らが経営するオフィスにマイカーで通う富裕層マーケットは、すでに多数の外資系企業に狙われ、この人達を顧客とする競争が激しくなっている。消費意欲がより貪欲で強い上昇志向を持つNext Rich層こそが、次なるマーケットを大きく左右するのだと王はにらむ。
「自動車や大型液晶テレビなどの高額商品は、すでに富裕層の手元にある。今後その領域に手を伸ばすNext Rich層の動向を掌握することは、中国でのマーケティング戦略上、非常に重要なファクターになります」

消費動向の変化に、大きく影響を与えている一つの要因は、商品の購入チャネルの変化にもある。
「複数の店舗を回って価格を見比べ、品物を吟味してから購入に至るのが、これまでのNext Rich層の特性だった」と王は言う。しかし、インターネットの普及とともに情報が入手しやすくなった昨今、ネットショッピングや量販店での一括購入など、利便性を求めた購買行動が一般化してきたことが、1万人アンケートにより浮き彫りになってきている。消費動向の移り変わりと販売チャネルの変化は、密接な関係にあるのだ。

新しいことに挑戦し続ける意欲が自己を育くむ

入社して4年目、半年にわたる本社での研修を終え、王は上海に戻ってきたばかり。今、あらためてNRI社内の風通しのよさを実感している。
「1年目の新人でも、ベテランの先輩に正面から意見を言うことができるのが、NRIの優れたところ。そうやって自分の主義主張を訴えることでロジカルな思考力が鍛えられ、コンサルタントとして成長していくんですね」

NRIの情報共有ツール上では、コンサルタントたちは皆、自分のレポートを活発に発表するのだという。積極的にやりたい仕事の分野を発信する、すると、それに目を留めた仲間から反応が返ってくる。社内のプロフェッショナルに認められて、新しいプロジェクトの一員として声がかかる。そうやって仕事の幅を広げていくのがNRI流なのだ。
「自分の意見を正しく伝えるということは、クライアントに的確な提案をするのと同じ。みんな初めからすべてを知っているわけじゃない。仕事を通じて学びながら、知識をつけていくんです。未知の領域を経験しながら、自己を少しずつ拡大していく。意欲さえあれば、やりたいことがいくらでもできる環境が用意されているのが、NRI最大の魅力ではないでしょうか」
じっくりと専門性を深めながら、新しい明日の自分を模索する――王は、これほど自分の仕事のスタイルに適した環境はないのだと、つくづく思っている。

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