NRI上海の人事制度は中国の特徴に合った先進的な内容で整備されている

劉沫真(主任)

NRI上海の人事制度は人事コンサルティングの自身のよりどころ

NRIに入社して3年、劉はひたすら人事制度改革についての研究を続けてきた。最適な人事制度の構築方法とは? と尋ねると、「制度化の導入」と即答えた。「例えば就業規則の策定、従業員1人ひとりの職能の定義など、手法はいたってシンプルなんです」
それはNRI自社の人事制度システムでもあり、クライアントへ提案する構想でもある。

NRIでは日本企業の伝統的な年功序列制度を一掃、完全な能力主義を導入している。個人個人の職責を明確にし、それに対してクリアな評価がくだされる。この仕組みは、新入社員への研修プログラムにもはっきりと表れている。NRIのコンサルタントとして、課題に対する取り組み方や解決手段、および調査・研究の方法など、本社での研修をはじめとして徹底したカリキュラムが用意されているのだ。

企業文化や価値観を共有したうえで、社の規定や制度を覚え、それぞれの目標やビジョンを掲げる――入社時から、従業員1人ひとりが同じ意識を持って働ける仕組みを作ることで、職場の雰囲気が明るくなり、コミュニケーションが円滑に行なわれる環境が整う。NRIの風通しのよさは、合理的かつ柔軟性に富んだ社内制度が細部にわたって行き届いているからであり、それはすなわち会社としての成長のエンジンになる。逆に言うならば、楽しく仕事ができる環境が整ってはじめて「未来の創造」というNRIの理念が体現されるのだ。

人材流出を食い止めるために、日系企業が成すべきこと

「多くの企業にとって、いま一番深刻なのは人材流出という問題です」と劉は指摘する。「日系企業に対して、賃金体制に対する不満やキャリアアップの限界を感じている中国人は少なくありません。不透明な人事制度は、モチベーションの低下やチームワークの崩壊を引き起こします。いくら頑張って実力をつけても、しかるべき報酬やポジションが与えられなければその会社で働き続けようとは思えないものです。合理的な社内制度と賃金体系を作り上げ、積極的に人材を登用していくことが中国ビジネスの鍵であるという認識を、日系企業にはもっと強く持って欲しい」

中国固有の文化や労働に対するスタンスなどを理解したうえで的確なマネジメントしなければ、社員に信頼される経営者にはなれないと劉は言う。そしてそれは、従業員を信頼することではじめて得られるものなのだ。NRI上海は、その8割を中国人スタッフが占める。中国で事業を行うためには、中国人が率先して舵を取るべきであるというのがNRIのスタンスであり、その姿勢こそが、劉がクライアントに説く社内制度改革の手法だ。自分が思う存分活き活きと働ける環境がなによりNRIにあるからこそ、自信を持ってそのシステムを薦めることができるのだ。

ビジネス環境の競争が激化する昨今、優秀な人材確保へのニーズは増加する一方だ。劉は、NRIならではのノウハウに自身の経験を重ね、クライアントにソリューションを提供することに喜びを感じている。

「専門知識は言うまでもありませんが、それ以上に情熱と責任感が大切だと感じます。挑戦と努力を絶えず繰り返すことが自らの視野を広げ、引いてはクライアントからの信頼につながるのです」柔らかな物腰と穏やかな語り口の向こうに、筋の通った芯の強さが垣間見えた。

photo1 photo2 photo3 photo4