
寺村の考えるコンサルティングに必要な人材とは、「ポジティブで好奇心や向上心のある人物」。留学やアルバイト、旅行など色々な環境で受けた刺激をそのまま仕事へのエネルギーに変換できるような人物は、この業界で必要な力を備えている可能性があるという。
寺村は、主に北京での市場拡大と顧客基盤の確立と、北京事務所自体の自律的運営基盤の確立を委任されている。在籍する北京事務所は2003年に設立(2009年に分公司に改組)。社員数は現在8名と少人数ではあるが、社員一人一人が明確な目的意識を持ち、少人数だからこそ出来る顧客への丁寧な対応を心掛けているという。寺村自身は、北京及び華北地域の市場拡大による北京事務所の自立が、現在のミッションと考えている。また、これまでNRIが築き上げてきた文化や戦略、知識などを伝えていくことも彼の持つ責任の一端と言えるだろう。「現地の中国人社員にとって、与えられた仕事をリーダー、もしくはメンバーとしてしっかりとやり切ることだけでなく、自発的に営業を行って新しい案件を開拓したり、顧客と仕事を超えた信頼関係を作っていくことなど、まだまだスキルアップが必要」と、寺村は語る。日本人が不在であったとしても、日系を母体とした現地のコンサルティング会社として機能させるための人材育成も、寺村の仕事のひとつなのだ。また、それこそが未来に繋がる社会への貢献だと、寺村は考えている。
コンサルティングには、直交座標のようなおもしろさが存在する。X軸には、様々な業種に顧客がいるということ。多種多様な業界にまたがって企業の課題を分析することで、個別の業界の課題だけでなく、業界に依存しない普遍的な課題が見えてくるというおもしろさだ。Y軸には、コンサルティング自体の奥深さ。マクロ的な話では、経済や社会の動向が企業の戦略や経営システムにどう影響を与えるか、ミクロの視点では、会社の内部統制やリスクマネージメントといったところまで、非常に複眼的な視点で物事を分析することができる。こういった一連の動きに寺村は、言葉では言い表せない何かがあるという。
欧米系コンサルティング会社が、数多く進出している中国。そういった背景の中、日系コンサルティング会社の代表として、大規模に中国展開を進めようとしているのが、NRI上海である。NRIは、日本人ならではの綿密かつ具体的な戦略づくりと顧客への万全な体制の構築によって、企業との相互理解を深める方針を取っているという。
そもそもコンサルティングとは、顧客からの依頼を受け、経営上の課題を把握分析し、その解決策を提案することだけでなく、その提案を二人三脚で支援するところまでに責任を持つ仕事である。そのためには、いつも会社の中にいるがゆえに、逆に顧客自身では気付くことができない細かな課題を見つけ出すことのできる、きめ細かな注意力が要求されるという。
寺村が在籍する北京は、中国の首都としてのみならず、一大経済都市として今なお発展を続けている。これは、コンサルティングを行う者として、非常に刺激的であるという。例えばマーケティング一つをとってみても、成熟した日本市場ではどうしてもセグメントを細かく切ってニッチを見つけ出すという考え方になるのに対して、中国市場は巨大かつ成長しているため、大胆かつ夢のある提案が可能である。
日々の変化が著しい経済都市では、企業自体の変革が必要となってくる。そういった企業が持つ課題の解決を行うことで、新たな変化を生み出すことが出来るという。また、寺村はこうも考える。ただ業務を遂行するのではなく、企業との二人三脚によって顧客と共に栄えていくことが、企業や中国、世界の成長を支え、いずれは自分自身の成長に繋がっていくことになるだろうと。
