社会・企業を変革するコンサルタントとしての自覚

許雯(主任)

グローバル化がより深く進展する現在、中国製品の安全・品質問題は現在、日本など世界各地が注目する話題となっている。許が手がける数々の事業のひとつ、貨物トレーサビリティ・システムは、この品質管理の徹底に重要な役割を果たしている。

物流業界ではこれまで、物流会社が各自システムを自社内で作り上げ、個別に運用していた。今後はこれらを世界共通のシステムに統合し、標準化することで、効率化とコスト削減を図る。物流用RFID(無線ICタグ)とタグに書き込むEPC(Electronic Product Code)関連の国際事業に参加する企業は、NRIを含め世界40社にのぼるという。2007年から2008年まで香港~日本、中国上海~アメリカロサンゼルス間でそれぞれ実証実験が行われ、成功を収めた。

内陸部の開発が進むにつれ、中国の物流事業は巨大な発展の可能性を秘めた事業として注目されている。一方、システムは複雑化し、参入企業間の競争も激化している。変化が激しいビジネス環境の下でも柔軟に対応できる戦略を提供するのが、許の仕事だ。敏感に時代の変化を嗅ぎ取る能力は、日々更新される卓越した知識量が基盤となる。「仕事以外でも本と資料を読み込んで、基礎知識を取り込みます」――― コンサルタントとしての自分の努力が、やがては中国の社会の変化を生み出すと許は認識している。

復旦大学では日本語学科で古典文学を学び、「源氏物語」などを読んだ。根気のいる古典の読み込みは、現在の仕事にも少なからず貢献しているものの、「大学で学んだことと、今の仕事は関係ない。社会に出てからの知識吸収が重要」と許は言い切る。人材重視のNRIでは、自己成長と発言の機会が多く与えられる。このチャンスを利用して、許は主任コンサルタントとして活躍する今の自分を手に入れた。

NRIは都市開発の実績を重ねる度に、自己成長を続ける会社だ。許は将来の夢を語るとき、「他人の立場になってモノを考える人間になりたい」と語った。顧客のニーズを理解し、根気よく人と話す技術を身に付けたコンサルタントとして、会社と共に成長するのが目標だ。NRIの発展と自身を重ね合わせ、NRIと共に自己の変革を行っていきたいと考えている。

週1~2回は国内外の出張を行い、視察や国際会議に参加する。初めて参加した、香港での国際会議では丸2日間、英語が聞き取れず内容が分からなかったという。ただ、そんな言葉を漏らす許の表情からは逆に、「今は違う」という自信と誇りがうかがえる。貨物トレーサビリティ・システムのほか、中国のIT(情報技術)・金融システムも手がける許は、膨大な知識の海に取り組む冒険精神の持ち主でもある。よりよい社会へと、自身が果たす役割をよく知っている許の目は、新たな分野でも恐れず進む強い光に輝いている。

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